防犯知識

災害時に警備会社ができること(BCP)

地震・大雪・停電などの災害時に、警備会社が担える施設保全・避難誘導・事業継続の支援をわかりやすく解説。事業継続計画(BCP)に警備をどう組み込むか、札幌・北海道の冬季事情もふまえて実用的に整理します。

更新: 2026-09-28※画像はイメージです

災害時に警備会社ができること(BCP)
写真はイメージです

施設警備交通誘導警備イベント警備要人警護・送迎安全統括マネジメント警備北海道公安委員会認定 第10001029号札幌市・北海道全域に対応お見積り・ご相談は無料お電話 011-215-6432(平日 9:00〜18:00)

「地震や大雪でオフィスが被災したら、無人になった建物は誰が守るのか」「停電で自動ドアやセキュリティが止まったとき、来館者をどう安全に誘導するのか」——災害への備えを考えるほど、こうした不安は具体的になっていきます。この記事では、災害時に警備会社が実際に担える役割と、それを事業継続計画(BCP)にどう組み込むかを、札幌・北海道の事情もふまえてわかりやすく整理します。

災害時に警備が果たす役割とは

BCPとは、災害や事故が起きても事業をできるだけ止めない・早く立て直すための計画(Business Continuity Plan)のことです。この計画のなかで、警備は「施設と人を守る初動の担い手」として位置づけられます。

災害時は通信も人手も限られます。だからこそ「誰が何をするか」をあらかじめ決めておくことが、被害を最小限に抑える鍵になります。施設を軸にした備えは法人向け警備サービスでもご相談いただけます。

地震・大雪・停電、それぞれの初動対応

災害の種類によって、警備が優先すべき動きは変わります。代表的な3つのケースを整理します。

3つ
備えたい主な災害(地震・大雪・停電)
72時間
混乱が続きやすいとされる初動の目安
1号
警備業法上の施設警備の区分
①

地震への対応

揺れが収まった後、建物の損傷・ガラス破損・出火の有無を確認し、危険な区画への立ち入りを制限します。避難経路の安全を見ながら誘導します。

②

大雪への対応

出入口や避難経路の除雪確認、屋根からの落雪の見守り、駐車場の凍結による転倒防止など、雪国特有の点検を行います。

③

停電への対応

自動ドアや電子錠が停止した際の手動での出入口管理、暗所での誘導、非常用照明や設備の状況確認を担います。

④

共通の初動

被害状況を記録し、施設管理者や関係先へ一次連絡します。無人化した建物の防犯・盗難対策としての見回りも重要です。

災害の規模が大きいほど、こうした初動の積み重ねがその後の復旧スピードを左右します。

避難誘導と施設保全の進め方

災害時の警備の動きは、大きく「人を守る(避難誘導)」と「施設を守る(保全)」の2軸に分かれます。実際の流れを手順で見てみましょう。

  1. 01
    安全確認

    二次災害の危険がないかを見極め、警備員自身と周囲の安全をまず確保します。

  2. 02
    避難誘導

    落ち着いた声かけで、来館者や従業員を安全な経路へ導きます。停電時は暗所での転倒に注意します。

  3. 03
    施設保全

    無人になった建物の施錠・出入口管理を行い、火気や漏水、盗難のリスクを見回ります。

  4. 04
    連絡・記録

    被害状況と対応内容を記録し、施設管理者や必要な関係先へ連絡します。

こうした一連の動きは、日頃の巡回や施設警備の延長線上にあります。平常時の体制については警備サービス一覧もあわせてご覧ください。

BCPに警備を組み込む考え方

BCPは作って終わりではなく、「実際に誰がどう動くか」まで落とし込んで初めて機能します。警備を計画に組み込む際のチェック項目を整理しました。

検討する項目決めておきたい内容
対象施設と優先順位どの建物・エリアを最優先で守るか
想定する災害地震・大雪・停電など、備える災害の種類
役割分担警備が担う範囲と、社内・消防・警察が担う範囲
連絡体制停電や通信障害時の連絡手段と連絡順序
参集の目安災害発生後、どのタイミングで動き出すか

これらは一度決めれば固定というものではなく、施設の変化や季節に応じて見直していくことが大切です。自社の状況に合う形はお問い合わせから具体的にご相談いただけます。

警備会社と事前に取り決めておきたいこと

災害時は電話がつながりにくく、その場で相談しながら決める余裕はほとんどありません。平常時の契約や打ち合わせの段階で、次の点を決めて書面に残しておくと、いざというときに迷わずに動けます。

取り決めておくこと決めておきたい中身の例
災害時に動く条件震度や警報など、どんな状況になったら災害時の対応に切り替えるか
連絡が取れないときの動き施設管理者と連絡が取れない場合に、警備員がどこまで判断して動いてよいか
鍵と設備の扱い預ける鍵の範囲、手動で開ける出入口、止めてよい設備と止めてはいけない設備
連絡の順番と手段誰に、どの順で、何を使って連絡するか(電話がだめなときの手段も)
到着できない場合の備え交通が止まったとき、施設側で最低限やっておくこと
追加対応の費用災害時に人を増やしたり時間を延ばしたりした場合の費用の扱い

常駐の警備員がいる建物と、センサーで見守る機械警備の建物では、災害時にできることも変わります。違いは機械警備と常駐警備の違い|どっちを選ぶ?で比べています。

平常時からできる準備

災害時の警備は、平常時の準備で決まる部分が大きいものです。施設側で今日から見直せることをまとめました。

  1. 01
    手動で開けられる出入口を確かめる

    停電で自動ドアや電子錠が止まったとき、どの扉をどう開けるかを確認し、手順を掲示しておきます。

  2. 02
    予備の電源がどのくらいもつか知る

    非常用照明、機械警備の機器、通信機器などの予備電源が、何時間ほど使えるかを確かめておきます。

  3. 03
    連絡先を紙でも持つ

    スマートフォンの電池が切れても連絡できるよう、緊急連絡先の一覧を紙に書いて、防災用品と一緒に置いておきます。

  4. 04
    懐中電灯と防寒用品をそろえる

    北海道では冬の停電に備え、毛布やカイロなど、暖房が止まっても過ごせる用品も用意します。

  5. 05
    年に一度は一緒に訓練する

    避難誘導の経路や連絡の手順を、警備員も含めて実際に動いて確かめます。

オフィスビルで常駐警備を置く場合に、平常時にどんな業務を任せられるかはオフィスビルの常駐警備でできることで紹介しています。

札幌・北海道ならではの災害対策

札幌で災害時の警備を考えるうえで欠かせないのが、冬季の積雪・路面凍結と、それが重なったときの災害対応の難しさです。北海道では、大雪による停電や交通麻痺が実際に発生してきた経緯があり、冬の災害には特有の備えが求められます。

たとえば、真冬に停電が起きれば暖房が止まり、避難や施設保全と同時に寒さへの配慮が必要になります。大雪の日は除雪車や緊急車両の動線が乱れ、避難経路そのものが雪で塞がれることもあります。

2018年の全道停電から考えたいこと

2018年9月の北海道胆振東部地震では、道内のほぼ全域が停電する事態になりました。このとき多くの施設で問題になったのが、「停電が長く続くと、平常時は当たり前に動いているものが次々に止まる」ということです。

  • 自動ドアや電子錠、エレベーターが止まり、出入口の管理を人の手で行う必要が出る
  • 予備の電源が切れると、非常用照明や通信機器が使えなくなる
  • 信号が消えた交差点が増え、施設の出入口付近の車の流れが乱れる
  • 携帯電話の充電ができず、連絡が取りにくくなる

この経験から、停電は「数時間で戻るもの」ではなく「長引くこともあるもの」として計画に入れておくことが大切だとわかります。冬の除雪現場での警備については北海道の雪・冬対策の警備|除雪現場の交通誘導もあわせてご覧ください。

地域の季節性を織り込むことで、無駄のない、実効性のある備えに近づきます。災害時の警備費用は、守りたい施設の規模・警戒したい時間帯・想定する災害・体制の厚さといった現場条件で大きく変わります。相場の数字だけで判断せず、正確なお見積りはお問い合わせください。

まとめ|「決めておく」ことが被害を減らす

災害時に警備会社ができることは、施設の保全・避難誘導・初動の連絡といった、事業を止めないための土台づくりです。そして最も効果を生むのは、災害が起きる前に役割と動きを決めておくことです。「どの施設を、どんな災害から、誰が守るのか」を一度整理するだけでも、いざというときの動きは大きく変わります。

自社のBCPに警備をどう組み込めるか具体的にお考えの方は、現場条件をお聞きしたうえでご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。ほかの疑問はよくある質問やコラム一覧もご覧いただけます。

よくある質問

Q.災害時に警備会社は何をしてくれますか?

一般的には、施設の被害確認や無人化した建物の保全、来館者や従業員の避難誘導、停電時の出入口管理などを担います。ただし人命救助や消火そのものは消防・警察の役割で、警備は初動の見守りと連絡が中心です。契約時に役割の線引きを決めておくと安心です。

Q.BCP(事業継続計画)に警備をどう組み込めばよいですか?

災害発生直後に「誰が施設を守り、どう避難させるか」を計画へ書き込む際、その担い手として警備を位置づける考え方があります。連絡体制や参集の目安を事前に共有しておくと、いざというときに動きやすくなります。まずは守りたい施設と時間帯を整理して相談するのがおすすめです。

Q.停電や大雪でも警備は続けてもらえますか?

多くの現場で、停電時の出入口管理や大雪時の除雪確認・落雪見守りなど、状況に応じた対応を行います。ただし対応できる範囲は現場条件や安全確保の状況で変わるため、想定される災害と優先して守りたい場所を事前にすり合わせておくことが大切です。

Q.大きな災害のとき、警備員は必ず駆けつけてくれますか?

必ずとは言えません。道路の寸断や公共交通の停止、警備員自身の安全の確保が必要な状況では、到着が遅れたり、向かえなかったりすることがあります。そのため、連絡が取れない場合にどう動くか、施設側で最低限やっておくことは何かを、事前に取り決めておくことが大切です。

Q.停電すると機械警備は止まってしまいますか?

機械警備の機器は、停電に備えて予備の電源を持っているものが一般的です。ただし予備の電源が使える時間には限りがあり、長い停電や通信回線の障害が重なると、監視に影響が出ることがあります。予備の電源がどのくらいもつか、停電が長引いたときに誰が見回るかを、契約先に確かめておくと安心です。

この記事に関係する警備サービス

関連コラム